いくら頑張っても給料が上がらない。何故、自分の給与はずっと低いままなんだろうか。
今回は「日本人の給料が上がらない原因とは?海外比較から考えてみた」というタイトルで話していきます。いくら頑張ってもなかなか上がらない理由には日本の雇用システムなどにあるのかもしれません。
それでは、早速見ていきましょう。
日本人の平均給与(国税庁)
現在の日本人の平均給与はいくらだと思いますか?
国税庁の調査によると、給与所得者の1人当たりの平均給与は467万円となっており、これは前年に比べて1.4%の伸びとなっています。
この467万円という数字は、1997年の最高値とほぼ同じ数値になります。逆に、97年から下がって戻ってきただけだとも言えます。(=給与全然上がってない、むしろ下がってたと言えるのです。)
それでは、これから給料が上がらない理由を考察していきます。
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非正規雇用者数から見る
まず一つとして非正規雇用者数が関係していると考えられます。
上記の正規・非正規雇用者数(実数)のグラフを見ると、正規雇用者数は微減しており、非正規雇用者数は1990年からずっと右肩上がりに増加していることがわかります。
非正規雇用者は正規雇用と比べて賃金を安く雇うことが出来ることから、人件費削減として企業側がとった対策なのでしょう。
正規雇用者の増加率<非正規雇用者の増加率となることで、平均給料が上がらない、停滞しやすいと言えます。これが一つの原因なのではないでしょうか。
企業の内部留保額から見る
続いて、給料が上がらない要因として企業の内部留保額が挙げられます。
法人企業統計調査(上記グラフ)によると、企業の利益剰余金は1980年からきれいに右肩増を描いています。これは従業員や株主に利益還元をせず、会社が利益を貯蓄していることを表します。
内部留保に回すことで、会社の資金として使うときに使われるため、社員の給料には反映されず、最終的に給与が増えない状況に陥っていると考えられます。
少子高齢化から見る
少子高齢化により働き手が足りない現日本において、低賃金で雇うことが可能なパート、非正規社員を多く雇用することでその人手不足をカバーする傾向にあります。
上記、非正規雇用者数で紹介したことと同様にその数が増加することで結果的に平均給与が低くなっていると考えられます。
海外から見る日本の給与
日本と海外の給与比較をするうえで、「実質賃金指数」の増減から見ていきたいと思います。実質賃金指数は以下のことを指します。
例えば、ある時点の賃金額を100ポイントとして、その100を基準にして前後の賃金がどのように変動したのかを示すのが主な使い方です。 基準年の賃金に対して翌年に1%増加した場合は101、1%下落した場合は99と表します。 実質賃金指数とは、実質賃金をこのような方法で指数化したものです。
名目賃金とは?実質賃金との違いと物価との関係.より
そこでグラフを見ていくと、先進国の中でも日本だけ89.7%となっており、他先進国は100%を超えた数値を示しています。1997年から日本だけが1割も下がっているのです。
賃上げを求める数も関係してる?
日本と海外を比較したときに、賃上げを求める個人の数も関係しているのかもしれません。
日本は他国と比べて、賃上げ交渉が少なく、言われた額で入社している個人が多いことがわかります。アメリカ・フランス・デンマーク・中国では、約半数の人が希望を伝え、交渉に成功しています。
むしろ、賃上げ交渉をすることが普通のことなのだと思います。「スキルもないし賃上げなんてできない…」といったある意味日本人の謙虚な性格が表れているのかもしれません。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
日本は給料が上がらないという理由には企業・国の雇用システムや社会的背景が考えられます。日本は先進国にも関わらず、他国と差が開いてしまっているという現実。
年功序列や賃金交渉の少なさなど、日本人らしさや文化もその要因の一つとして影響を与えてしまっているのかもしれません。